急激な少子高齢化、長引く日本経済の低迷、親族間コニュニケーションの希薄化などの社会的現象は、私達の社会生活に大きな影響を与えており、人の死亡によって開始する相続に関しても、親族間のトラブルは、増加傾向にあります。
親族間といえども、一度、相続トラブルが発生すると、多くのケースでは、関係修復が不能となったり、ストレスによって精神的な疾患に陥る当事者が現れることも珍しくありません。
こうしたトラブルを予防するためには、日頃から親族間のコニュニケーションを密にしておくことが一番ですが、生前に、自分自身で既存の様々な制度を理解し、その活用を検討していくことが、相続人に対する配慮ともいえます。
まず、活用できる制度として代表的なものは、遺言ですが、その内容によっては、親族間で遺留分減殺等の裁判による争いに発展する可能性もあり、作成の際には、ご自身の親族関係や資産状態を十分検討する必要があります。
また、相続は、生前の資産活用(利用)の結果、残された資産に開始するものですから、生前の生活設計を明確にしておくこともトラブルの予防には大切です。任意後見契約をはじめとする成年後見制度は、万一、認知症などによりご自身の判断能力が衰えてしまったときに利用するものですが、必要となるときまで検討しなかったために、結局利用できないという人も少なくありません。
さらに、親族関係が既に希薄になっている人には、死後事務委任契約(葬儀・永代供養の手配、遺言執行など)の作成がとても有効です。
このように、いろいろな制度がバラバラに存在しており、なかなか理解できないという感想を持つ人も多いのですが、安心した老後の生活と残された大切な資産を子供や孫にトラブルなく承継させるには、決して「遺言書」を書いたから、老人ホームに入所が決まったから、大丈夫と言えるものではないことを理解することが大切です。最近では、残された財産が住んでいた家だけという場合や数百万円の預金だけという場合でも、親族(相続人)間トラブルに発展しているケースがあり、制度上、介護の負担を追った者が、必ずしも優遇されることにはなっていませんので、相続人間の真の公平性の確保は、財産を残してあげる人が考える必要があるのです。
当事務所では、長年の「遺言書作成サポート」、「任意後見実務」、「成年後見人実務」、「登記実務を通じた遺産分割や相続放棄手続」に携わらせていただいた経験を生かし、皆様が安心した老後の生活を続けていくための必要な支援として、様々な角度からの各種制度の正しい理解を深めていただくことが必要であると考え、ご依頼に応じて、セミナー等の開催に積極的に協力させていただこうと考えております。
このようなセミナーの開催を検討している方は、是非ご相談下さい。
平成22年7月
